五感

| | コメント(2)

kiku200811138166.gif 公園の欅の葉が色づいていた。幹に近いところはまだ緑色をしていて、少しずつ色を変えて、黄色を帯びたものから黄色へ、そして赤みを帯びた明るめの赤茶色、枝の先端はすでに茶色になっていた。梢を仰いでいると、乾いた音が耳に聞こえてきた。公園内を歩くひとの足元には枯れ葉がたくさんあり、一歩踏みしめるたびに音がしていた。

 昼間は20度近くまで上がったけれど、夜にはどことなくひんやりした空気。晩秋は色と音と温度で、目と耳と肌で感じる。五感にはあと鼻と舌が必要か。食欲の秋ゆえに問題はなさそう。

               老師の月命日は晴れ。

内含

| | コメント(2)

kiku200811108157.gif 

 

 これから咲こうとする花に見る、生の息吹。

 盛りを過ぎ、萎れ、枯れの変遷をたどる花にも

 生の持つ力はある。

 時期と時季と時機とがひとつの花に内含する。

花盗人

| | コメント(4)

kiku200811148183.gif 午前中はなんとか明るさがあったけれど、午後になると、今にも泣き出しそうな空模様。空を仰ぎつつ表に出れば、今、まさに花の一枝を手折ったばかりの老女がひとり、目の前に。そこは確かに我が家の敷地内であり、私と眼が合ったのにも関わらず、弁解のひとつもないまま。咄嗟に口にしたのは「お花を取らないでください」無言のまま老女はゆっくりと背を向けて何事もなかったかのように歩いて行った。

 枕草子の時代にも花盗人は居たようで。古人も今の人もあまり違いはないらしい。花盗人には寛容にとも思うけれど、盗み取った花を愛でて心は痛まないのだろうかと。花を取られたことはもとより、そんな心を持つ人の心が寂しい。

花色

| | コメント(2)

kiku200811138167.gif 真上を向く花に午後の光は真横から射していた。花弁の裏側までも陽に照らし、あるがままの姿は凛として。

 この黄色は、伝統色でいえば、中黄か、向日葵色といったところ。花の色は実に多種多様で、少し前までは不可能の代名詞でもあった青い薔薇までがほぼ可能になってきて、今では花色は自由に変えられるといわれるほど。

 科学技術の進歩で恩恵を受けることは多い。けれども、花色を自由に変色できるようになったとしても、天然の色が基になっているということをきちんと覚えておきたい。光によってより鮮やかな花色のなんとも美しいこと。

秋澄む

| | コメント(4)

kiku200811138165.gif 

 

 久しぶりによく晴れて暖かな一日。

 空は青く澄んでいて、心地よかった。

 満開の菊も秋の陽を受けて、嬉しそうに見えた。

 

視点

| | コメント(2)

kiku200811108143.gif おそらくこれが最後の一種類であろうと思われる濃い目の赤紫色の菊。朝晩どころか日中でも寒さを覚えるこの頃、ようやく開花の運びに。

 海の向こう側では大統領選挙が行われ、歴史的勝利と謳われた47歳の上院議員が新大統領に決まって早1週間。海のこちら側では足元の漣が大波となって、その後対岸のことは報道すらされないらしい。

 花の色に違いがあっても花は花。人の肌の色に違いがあっても人は人。黒人初のと敢えていうことがそもそも差別的な視点ではないのかと。

魔性

| | コメント(4)

KIKU200810308105.gif ほとんどいっていいほどに興味はないけれど、今シーズンだか来シーズンは赤い口紅が流行るらしい。口紅というのだから、赤でいいじゃない?などと見てもいないテレビに言うでもなしにアイロンがけ。

 小庭では今季この枯れた朱色のような赤系が初めて群生した。これまでは小庭の片隅に、ひとつふたつ申し訳程度に咲いているのを見かけてはいたけれど、こんなに咲くようになるとは思いもしなかった。

 思いがけないことというのは、おかしみであったり、驚きであったり、喜びであったりをもたらして、いつしかそれに馴染んで行く。枯れた色合いには、時間を超越して瞬時に馴染む魔性が潜んでいるのかもしれない。

語らい

| | コメント(2)

kiku200811108147.gif 花磯菊。元々は磯と名前に付いているように、海岸に自生する磯菊の改良品種といわれている。磯菊はこの花磯菊にある白い舌状花という花弁がなく、とても素朴な感じのもの。縁取りのように白い花弁を周囲に纏っただけでこんなにも愛らしくなる。

 菊の栽培といえば、菊花展に観る豪華絢爛な大輪の花を咲かせる大菊があり、「厚物」、「管物」、「広物」と呼ばれるものや、嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊といった古代菊があり、小菊あるいは山菊と呼ばれる小ぶりのものなど種類はとてもたくさんある。技術の粋を生かしたそれらの見事な菊の造形は真に素晴らしい。

 それらの菊は気品がありすぎて近寄りがたいけれど、、同じ菊とはいえ、小庭の菊はとても親しみがある。気取りのない、あるがままの姿で必死に咲く姿を見せてもらう。身の丈にあっていて、ひとつひとつが愛しくて。寄り添い、語らう景色は秋の宝物。

過程

| | コメント(0)

kiku200811058128.gif 満開に咲いた姿を見頃とするのもいいけれど、蕾から僅かに開きかけた姿もまた見頃とするのもよいのではないかと。満開を花の極みとするならば、極みに向かって行こうとする過程の姿は、なんとも健気で、内なるエネルギーを秘めている。昇華へ向けた一心の姿はひたむきで気高くさえある。この状態もまた美しい。

 県西に住む友人から山の紅葉が始まって美しいとの便りが届く。このところの朝晩の冷え込みは12月初旬を思わせるほどで、木々の葉の色を赤色に黄色に変化させるには好条件。今日は雨模様のお天気で気温も一段と下がっているので山の景色に一層の変化をもたらしているのであろう。

 移り行く木々の葉の色、蕾から満開へと移行する花。季節は確実に秋本番へ。色とりどりの錦秋へと向かっている。

花野

| | コメント(2)

kiku200811018111.gif 春の七草は言えるのに、秋の七草はどうしたものか、覚えられない。気になるたびに調べては、あぁそうだったと。萩、尾花(薄)、葛、女郎花、藤袴、桔梗、撫子。特段どうということもないのに。これは単に私に記憶する力が乏しいということなのだろう。

 春の七草は七草粥にして食す習慣があるけれど、秋の七草は食べるのではなく愛でる。秋の野原に野の花が咲き乱れる光景を花野というそう。秋の気候はなんとはなしに感傷的にさせられてしまいがちだけれど、野に咲く花を愛で、物思いにふけるのも秋の過ごし方のひとつかもしれない。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

アイテム

  • kiku200811138166.gif
  • kiku200811108157.gif
  • kiku200811148183.gif
  • kiku200811138167.gif
  • kiku200811138165.gif
  • kiku200811108143.gif
  • KIKU200810308105.gif
  • kiku200811108147.gif
  • kiku200811058128.gif
  • kiku200811018111.gif

タグクラウド

カテゴリ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.12