ご近所を歩いていると、さまざまな花に出会う。離れたところからでないと咲く姿を見られない、白く大きな泰山木 (たいさんぼく)の花は大きな木の高いところで咲いて。色鮮やかなオレンジ色の花が惜しげもなく路上に落ちているのを見かけ、見上げてみれば、たくさんの花をつけた凌霄花(のうぜんかずら)が咲いていて。 少し先を行くと、木槿(むくげ)が咲き、通りの向かい側では、塀越しに梔子(くちなし)が咲いている。せっかくの香りもここまでは届かない。梅雨時に似合いの紫陽花もまだまだ全盛を極めていて、衰える気配もない。お他所のお庭は彩り豊か。姿、容の種類も豊富で愛でるだけでも十分に愉しい。帰宅して、小庭を眺めれば、雨の合間の晴れを十二分に享受して、さらにこの雨をも吸収し、見事なまでに茂った草たちの中に、捩花(ねじばな)がひとつふたつ、またひとつ、芝生の間から顔を出している。自然美というのか、生まれながらに捩れることを知っているこの小さく可憐な花は素朴で愛らしい。
水無月、終わる。
