古くから歌に詠まれきた梅の花。桜の頃には皆が飲み騒ぐのに、この花の頃は限りなく静か。梅園にはそれなりの人でもあろうけれど、花は静かに眺めるのが花に対する礼儀のような気がして。
道真を慕ったとされた飛び梅も、小庭に咲く白梅も花に変わりはなく。ただひたすらに咲く。それでいい。それがいい。
冬枯れの小庭に、光を集めて咲く水仙。
下向きに佇む姿はいつ見ても可憐。寂しげな横顔に見えたり、清楚ながらも凛として見えたり、物憂げにも見えたり。花の見え方はこちらの心の在りようそのもの。花は何も語らず。
慌しく年の瀬を過ごしていたせいか、蝋梅を眺める時間が見出せずに。その名の通り、蠟作りのような黄色の花びらは、芳しき香りを辺り一帯に漂わせ、静かに咲いていた。
花の後ろに広がる空はどこまでも青く、雲ひとつなく。散り忘れた茶褐色の葉は、枝先から離れがたいようにも思えて。
澄んだ空を見上げる身に明るい陽射しと寒気を帯びた空気が冬らしい。
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